作品紹介
ベランダに干されたブラジャーを見るたびに脳内には善しからぬ妄想がめらめらと燃え出す。特に蒸し暑い夜に見るそれは裸体そのものよりも刺激的で女に対する欲望が次から次へと湧き出し欲求を抑えるのに困窮した記憶が今でも鮮明に脳裏に焼きついている。毎日の風景ではないため洗濯物が干されていなかった日の落胆は例えようのない喪失感があるかわりに数日ぶりに見る光景は一気に頂点へと加速するので時に理性のコントロールに失敗しあの感触とにおいを味わってしまったこともある。ある晩、肉体関係だけの彼女と家路を急ぐ最中この光景と出くわしたことがあり、何ともいえない空しさを感じその後の性行為にまったく集中できなかったこともあった。女に対する欲求は一般的には性欲と母性である。前者の多くは性交であることに否定はしないが私はまったく違う。この巻以外のコメントを読んだことがある方は感ずいているとは存じますがあえて言わせて頂ければ「女」そのものであります。またこれは作品制作におけるテーマでもあります。匂たつうなじ、ふくよかな乳房、大きく張り出した尻といった肉体美だけではなく、男の視覚のDNAを刺激する汗ばんで透ける下着の線、スカートから見え隠れする白い太股、細く伸びた指先など女ならではの独特の性的な魅力魔力がある。化粧の下に隠された素顔の真実、微笑とは真逆の意地悪な性格、外観上一歳でも若く見せようとする図太い神経など独特の感性があり男の背伸びとは次元の違う価値観がある。男という立場で自分に都合のよい従順でかつ素直なといった理想像は空虚な願望に過ぎないことは誰もが知っているのに捨てきれない。女の生態は陰と陽である。誰にも見せない、誰にも語らない、誰もが知らない一人の時間がある。それがどうしても知りたくて長年この仕事に携わっているがまだまだ知らないことだらけである。寝具付近を映し出す映像には自慰行為以外にもその女の生活が映っており場合によっては性的興味の方向が違う映像があるかも知れない。もし貴殿が自慰行為そのものだけを羨望されるのであれば他社の作品を選択するのが賢明かと思います。
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